「うぇ、腹黒副会長…なんでこんなところにいるんすか。」
「…腹黒とは心外だなぁ。これでも結構真摯に向き合ってるつもりなんだけど。」
「なんで、ここに、いるのか、って聞いてるんです。」
「え、なんでそんな怒ってんの。先生に言われて地図片付けにきたんだよ。」
「パシリすか。じゃ、さっさとそれを置いて出てってくださいね。」
あたしはこのお姉さまたちとお話ししてるんですから。
「これって、くるみちゃんが絡まれてるんじゃないの?
オレすごいナイスタイミングで登場した感じ?すごくない?運命感じちゃうね。」
そんなことを言いながら得意の腹黒スマイルをかました副会長。
「お姉さまたちと楽しいお話をしてただけなので、絡まれてるとかそういうのじゃないっす。
なので運命なんてものはミジンコ程も感じません。」
「楽しいお話って、なんの話?」
「ミジンコさんスルーされて切ない。
あー、どうやって副会長を懲らしめるかって、これから話し合おうとしてたんです。」
「なに懲らしめるって。オレなにも悪いことしてないでしょ。」
「いや、あたしに対して面倒くさい態度でかまって来たり、生徒会室で雑用を押し付けたりと迷惑行為ばかりです。」
「でもその代わりにおいしいおせんべい食べてるんだから、ギブ&テイクじゃない?」
「おせんべいは確かにおいしいです。」
おせんべいに罪はない。
「あ、あの、沼田くん…」
ここにきてお姉さま1号が腹黒に話しかける。
今話しかけてもこの人たち不利になるだけじゃないのかなぁ。
「何ですか?」
「あのね、あたしたち、この子に沼田くんに付きまとうなって話をしてたの。
だって、沼田くん迷惑してたでしょ?あたしたち沼田くんのためを思って、」
おいおいおいおいお姉さま!
そんなこと今言ったら、
「……は?」
時すでに遅し。
あちゃーと思ったあたしの横で、今まで見たことのない冷たい顔で聞いたことのない低い声を発した副会長がいた。

