「ねぇ、話聞いてる?」
実は今も小さな事件に巻き込まれている最中でした。
目の前には3年生のお姉さま方が4人。
みなさんスタイルいいっすね。
うらやましい限りでございますよ。
「すみません、聞いてませんでした。」
正直に答えると、そのお綺麗なお顔を怒りに歪ませる。
眉間に皺寄ってますよ。
取れなくなっちゃいますよ。
「何なのこの子。マジ調子乗んなよ。」
「どういうつもりで沼田くんに付きまとってんのかわかんないけど、本当にやめて。生徒会室にまで入っていくとか、迷惑だってわかんないの?」
そう、このお姉さまたちはあの腹黒副会長の件であたしのもとにやってきたとのことだった。
あたしがトイレに行く、つまりマリリンがいないタイミングを狙ってだ。
トイレから出たところを連れ去られて、すぐ隣にあった社会科資料室に押し込まれた。
きれいなお姉さまたちだったから抵抗とかしないでついてきちゃったよね。
しかしまぁ、お姉さまたちの中では、あたしがあの腹黒に付きまとっているように見えているらしい。
誠に遺憾である。
どこをどのタイミングで見たら付きまとっているように見えるのか。
あたしたぶん嫌な顔しかしてないと思うんですけど。
生徒会室だって、行きたくて行ってるわけじゃないやい!
連れ去られてるだけだやい!
やいやい!
「すみません。
あたし、別に副会長のこと好きでもなんでもない…いや、むしろ嫌いなので、こんなクレームを言いつけられましてもどうにも対処できないんです。」
「はぁ?あれだけ笑顔向けられてなに言ってんの?」
お姉さまの怒りゲージがさらにたまったようだ。
眉間の皺が一本増えた。
「笑顔、ですか…あたしにはあれは腹黒にしか見えないんですよね…。」
確かにあの副会長はいつも笑顔を向けてくる。
しかしそれは何か裏があるようにしか見えないのだ。
最初騙されてたわけですし。
そんなことを考えていたら、資料室のドアがガチャリと音を立てて開いた。
「あれ?こんなところでなにしてるんですか?」
「……っ!!沼田くん?!」
そこには、タイミングがいいんだか悪いんだかわからないが、副会長がいた。

