明るい茶髪を耳にかけながらコーヒーをすする横顔はとても様になっている。
「マリリンにはかなわないけどね!」
「…何の話?」
「こっちの話です。気にしないでください。」
つい今頃美術室でもくもくと絵を描いているだろうマリリンに思いをはせてしまった。
なんでも、コンクールへ出す作品に全く手を付けてなくって先生に泣かれたんだそうだ。
罪な男だよ全く。
「ねぇ、オレ結構真面目な話してたと思うんだけど、全然真面目に聞いてないだろ。」
「何をおっしゃいますか!
こんなに真面目に聞いてるのに!
要はあれですよね!
オレは怪しいから普通に考えて帰ったほうがいいよってことですよね!では、帰ります!」
「…いきなり何なのその切り替えの早さ。
まぁ確かにそのようなことを言ったけど、ちょっと待て。オレの話を聞け。」
「帰ってほしいのか話を聞いてほしいのか、どっちなんですか?
優柔不断な男は嫌われますよ?」
「……話を聞け。」
それならうだうだ言ってないで最初からそう言えばいいのに。
周りくどいことするなあ。
「ちなみに、あたしがなんで帰ろうとしなかったかと言うと、
わざわざ篠宮さんを装ってまであたしに話しかけてきたということは、それ相応の意図があったからだと思っているからです。
今聞かなくても、どうせ後からまた接触してくるつもりだったんじゃないですかね。
それなら今聞いたほうがいいと判断したから残ったまでです。」
「お前、ただの馬鹿じゃなかったんだな。」
なんかびっくりされたんだけど、それってすごい失礼じゃないっすか?

