『冬華!』





『雅。どしたの?』








『どしたの?じゃないよ!陽太に告られたんでしょ?』







『あー…』








私、瀬野冬華(セノ トウカ)。
高校3年。


そして、友達兼幼なじみの、
佐伯雅(サエキ ミヤビ)。女。



雅が話してる陽太は、私たちの幼なじみの、一ノ瀬陽太(イチノセ ヒナタ)。

私たちは3人、幼稚園から一緒の幼なじみ。



そんな幼なじみの陽太から、昨日告白された。

『付き合って欲しい。』と。

だけど、それは『好きだから』付き合って欲しいではなくて…







『雅のこと振り向かせたいんだ!だから…買い物付き合って欲しい!』



の、付き合って欲しい。なのである。





もともと私と陽太はお互いに興味がなく、ほんとの兄弟のような存在。

今更好きも何もないだろう。






『冬華綺麗だからなー、陽太も焦ったのかな?』






そんなことも知らずに一人で話してる雅。




『冬華はね、私の知ってる女の子の中で一番可愛くて綺麗だよ?』




『…ありがと。』






そう言って雅の頭をくしゃっと撫でて席を立つ。




『冬華?』





『とにかく、陽太のとこ行ってみな?誤解ってわかるから。』






そう言って教室を出た。