そしていよいよ着いてしまった…

我が本条高校に…

今更になって『舞蝶』のことを思い出してきてしまった…怖くて中に入れない…

その時。

あたしが立ってる後ろの校門に、見るからに高級そうな、威圧感がある黒のベンツが1台停車した。

瞬間。

回りの皆さんはどこかに逃げていってしまった。

なぜです?

なんて事を思ったのは束の間。

次の瞬間、思わず息を飲んだ。

なぜなら車から降りてきたのは二人組。

それも普通の二人組じゃない。

オーラがある…

そう…

殺気と言うものが感じられる…

もしかしたらさっきの威圧感は車自体が威圧感があるのではなく、この二人が中にいたからだったのかもしれない。

この二人、とても綺麗…しかもスタイル抜群だし…世の中ではこんな人のことを美女と呼ぶのだなぁと改めて感じた。



?「アンタ邪魔。退けな。」



…この人意外と性格悪いのかなぁ…

顔と身体は綺麗なのに…もったいない。

それよりわざわざこんな言い方しなくても良いのに…声かけられてる人、可哀想…



?「おい。聞こえてねぇ―のか?あぁん?テメェだ!うさぎ!!」



えっ!?

あたし!?

あたしなの!?



?「キャハハハハうさぎだって!マジウケるんだけどぉ~!www」



?「ミサ笑いすぎ!そんなに笑うかあ?普通!www」



?「そういうリサだって自分で言っておきながら笑ってんじゃん!キャハハハハ!www」



?「まあ確かにそうかも!ハハハハ!www」



この二人に注目してたから全く周りのこと気にしてなかったんだけど…

今見たらあたしの周りに全く人いない!

正しくはこの二人の周りだけど…



「おい。アイツもう海砂様と里沙様に目付けられてるぞ。アイツ、もう俺らの前に顔出せねぇ―んじゃねぇか?しかも里沙様と砂羅様ならまだしも…『舞蝶』の中で最も最強の海砂様までいらっしゃる…アイツ完璧に殺られるな。」


「マジ!?ヤベェーじゃん!つーかなんでお前そんな詳しい事知ってんだよ?」


「あぁ?お前にはまだ言ってなかったか?俺、凰華中学が出身校だし。」


「はあ?それマジ?ズリィーな。」


「「「キャー海砂様に里沙様よ!あぁなんとお美しい…憧れる…」」」


「「近くで見ると本当にお綺麗…海砂様に里沙様…なんと美しくて麗しいの…同じ女として誇れるわ…」」


「なんて美しい方々なんだ…」


「おい!見ろよ!あの伝説の『舞蝶』の海砂様と里沙様が二人揃ってるぞ!」


「俺初めて会った!マジで綺麗だよな…」



えっ。

ちょちょっちょっと待って!

一番はじめのお兄さん。

あなた今なんとおっしゃいました…?

海砂様と里沙様って言いましたよね…?

ってことはあの伝説の『舞蝶』の…?

ってあたし凄い人に話しかけられちゃったの!?

どうしよう!

やっぱりもう死ぬしか道は無いのかな…