そして翌年私は学年で日本人1人になった。

やっとこの殻を脱げる時が来たのだと、やっと翼を広げられるのだと、私は嬉しくなった。

しかし、なぜか私はもうこの殻を脱げなくなっていた。

この殻が居心地良くなっていた。この殻が自分を守ってくれる。じぶんにとって大切な存在になってしまっていたのだ。

そう、私は固まってしまったマトリョシカなのだ。

外側から開けようとしてもなかなか開けるのとのできないマトリョシカ。

私は変わってしまったのだ。もう元に戻ることができないのだ。

私は.... 私は私に向かって叫ぶ。

SOS

誰か私を取り戻させて。

END