私はバチを取って座ってみる。
この眺め。
久々。
目の前にボーカルが居て。
私が叩いたのは昔のバンドの曲。
今はそれが叩きたかった。
「……、紀伊ちゃん!!うまいよ、うまいよ!!」
興奮して話す、小森くん。
「…ぁ、ありがとう。」
「…うん、予想以上。バンド、やってた?」
…。
「中学の頃……少し。」
「……まさか凛、コイツのことバンドに入れるつもりかよ?」
「…。」
「凛は…、アイツがいなくなってどうでもいいのかよ!?……俺はッ、アイツの音じゃなきゃ嫌だ。」
「…悠牙、わかるよその気持ち。でも…」
「…。」
「俺らには期待がある、かかってる。そんななか、辞退するのか?」
「…っ、だったらアイツを呼び戻せば…「できるか?」
「あんな風にこのバンド出てったアイツが……ここに戻ってきてくれるのか…?」
「……っ」
「冴草さん。」
…。
「文化祭、だけでいいんだ。」
…。

