「…ば、バンド…ですか?」
ようやく発せた第一声は少し震えてしまった。
「…うん…、って大丈夫?紀伊ちゃん涙…」
うそ………!
「…す、すいませんっ」
私は頑張って涙を止める。
「…そう?紀伊ちゃん、改めて紹介するね。この人がボーカルの砂原凛。で、さっきから不機嫌なこの人がベースの徳永悠牙。……で、あ!きた!」
私は思わずドアに振り返る。
「……小森くん、、、?」
「あー!!紀伊ちゃん!!どうしたの?」
小森くんは私のクラスメートだ。
身長が男子高校生の平均からすると小さめでクラスのいじられキャラ。
「…二人知り合いなの?コイツが、ギターの小森李央。で、私がキーボード。」
…。
心臓の鼓動が早い。
「…ドラムの方が居ないんですね…」
「「「「……。」」」」
私、地雷踏んだ…?
でも、私の楽器がいないのはなんとなく寂しい。
「この間、辞めちゃったんだ。」
や め ちゃ っ た ん だ
…。
私、あの時辞めて良かったのかな。
ふと考える。
何で後悔してないんだろ。
やっぱり、あの出来事があったからかな………。

