「でね~」




夏も明け、紅葉の色が少しずつ見え始めたこの頃。



私は特にやることもなくただ1日1日を過ごしていた。



「もーっ、紀伊っ!!」



「…え!あ、ごめんなになに?」



「"なになに"じゃないよー!紀伊さ、そろそろ部活入ったらー??」



「んー…」


曖昧な返事を返しつつ、わたしはふと考える。



華の高校生なのだ。…一応。


「…はぁ…」



「もー!溜め息なんかついてると幸せ逃げるぞ??」



「…まあね…」



「…じゃあさ、噂の場所行ってみたら?」



噂の場所?



なにそれ…