…乃愛がいてもいいから、恭也くんといるって決めたのに…。


何回、二人を見ても辛い。


胸が苦しい。


もしも。


もしも、私が乃愛より早く告白してたらどうなってたのかな?


私と乃愛の立場は逆だったのかなぁ?


乃愛は私と恭也くんを見て苦しんだりしたのかな?


…そんなこと考えたところで意味ないけどね…。


早くに行動しなかった私が悪いんだけど…。


…やっぱり辛い。


分かっているけど辛い。


恭也くんへの気持ちは行き場をなくしてふらふら。


何かあれみたいだ。


夏の暑い日に現れるやつ。


陽炎みたい。


儚くて脆い。


その気持ちは誰に当たるわけでもなく、自分に返ってくるわけでもなく。


ただただ辛いだけ。