恭也…。


その名前を聞いたとき、心臓がトクンと跳ねた。


そして締め付けるような胸の苦しみが襲ってきた。


「恭也くんて部活終わるの、何時?」


必死に平静を装って。


動揺を悟られないように訊く。


あ…。


少し声が震えちゃった…。


でも、乃愛は私の様子なんかひとつも気にせずに答えた。


「恭也はね、今日サボるらしいの!!でも委員会があるとかで少し待たなくちゃいけないの…」


にこにこ笑顔で言う乃愛。


サボるって…。


いいの…?


…彼、恭也くんは結構サボり魔だったり。


ま、不真面目ってとこかな…。