海斗のところに行きたい…。


だけど。


私は乃愛の方を向く。


それに気付いた乃愛がこちらを見てきた。


私は乃愛を真っ直ぐに見る。


ちゃんと目を合わせて。


気のせいか、乃愛の瞳が不安そうに揺れた。


「乃愛…。ごめんなさい」


私は頭を下げた。


「…くるみ、顔上げて」


私は顔を上げた。


乃愛はにっこり微笑んでいた。


「私、あの日…。乃愛と同じ日に恭也くんに告白したの…。黙っててごめんなさい。それにずっと乃愛に黙って付き合ってた…。ごめんなさい…」


「え…?」


すると乃愛が戸惑いの声を上げた。