乃愛が落ち着いた声で恭也くんに言う。


「くるみ…。乃愛、くるみのこと大好きだよ。いつも優しいし、乃愛が何してもにこにこしてくれるし…」


乃愛は大きく息を吸った。


「だからこれだけは言わせて。ま、恭也にも当てはまるかな」


乃愛は私たち二人を見ながら、言った。


「この、裏切り者!!」


乃愛はそれだけ言うと、その場から居なくなった。


私はその場に崩れ落ちた。


そして静かに涙を流した。


そんな私の背中を恭也くんはさする。


「くるみちゃん…、別れよっか…」


私はそれにコクリと頷いた。