ピンポンパンポーン。 『2年3組 松本夕輝。大至急職員室に来なさい。』 廊下に、張り詰めた声が響く。 「夕輝呼ばれてんじゃん。何やらかしたの。」 しかも面倒くさい生徒課の先生のお呼びだし。 「心当たりありすぎて分かんねぇ…。 わり、ちょっと行ってくる。」 「ばーか!」 野球ばかで、頭もばかで、単純で…。 図々しくて、声ばっかでかくて、頼もしい。 そんな夕輝が好き。 ずっと、好きだったんだよ…。