元気を取り戻したみんなは、強かった。 前半の三者凡退続きが嘘のよう。 打てば塁に出る。 一人一人、みんなが本気だった。 それでも…敵わなかった。 『カキンッ!』 最後の小林主将のヘッドスライディングは、スローモーションのように見えた。 砂煙がはれたとき聞こえた「アウトッ!」の声。 数時間前には、わくわくして並んだ真っ白いライン。 涙でにじんだ、みんなの顔。 全部忘れない。 糧にしていく。