あるワケないじゃん、そんな恋。

ひょっとして、それって女子的にはアウトな行動なワケ?

一般的には、男性にストレートに聞いたりしない?




(……それであの時、羽田が唇をぶつけてきた……?)




かぁ〜〜っと顔が熱くなる。

ーーーなんか、今更ながら照れてしまった。
かなり前のことなのに、今になって再認識。


私って、女子力無さ過ぎ……。

恋も縁遠いワケだ………。





「…あっ、先輩お帰りなさい!」


バイト君の声に心臓が飛び上がった。

ギクッとしながら出入り口の方へ近づく。

大きな段ボール箱を5〜6個乗せた台車を押して、羽田が店内に入ってきた。




(わっ……髪切ってる……!)


この真冬にスキンヘッドに近いくらいの短髪にしてる。

刈り上げられた後ろ頭が寒そう。

トレードマークの毛糸の帽子はさっき芹那ちゃんが被ってたから無いにしても、一体どうしたっていうの……?


羽田だって、私に負け時劣らずの寒がりのくせにーーー。





「……状態良かったか?」


店長がシビアに聞く。
出張買い取りはこちらにも経費がかかってる。
儲けが出ない状態の本は、幾ら買っても意味がない。


「思ってた以上に良かったですよ。人気作もシリーズで揃ってるし、折シワも見当たりませんでした。人気のある漫画本も多いから少しだけ買い取り価格を上げましたけど……」



普段は私達パートやバイトと変わらない仕事ぶりなのに、あーして喋ってる姿は社員なんだよね。