あるワケないじゃん、そんな恋。

昨日は本部の同期生と話が弾んでる最中に電話なんかかけてきてタイミングが悪ぃし、彼女として紹介できるほど菅野に好かれてる自信もねーから出たくても出れねーし。


あいつはホントに俺のことが好きなんだろうか。

初めて付き合う男だからそんな気がしてるだけで、別の仕事を始めたらすぐに別のヤツが良いように見えてくるんじゃねぇのか。

俺は大して優しくもねぇし、口の悪さが災いして菅野を怒らせてばっかいる。

可愛がってやるのも断片的なものだけだし、メロメロにさせてもいねぇ…。


……結局のところ、あいつの良いところを知ってる割に肝心な気持ちの方は掴めねぇんだ。

あいつだけでなく俺自身もまだ、菅野本人に惚れ込んでるのか確信不足なとこがあるんだーーー。





「キャン!キャン!」


飼い犬のことを家族の誰よりも可愛がってる…と話してたっけ。
毎朝の散歩をさせるのも自分だと聞いたから、こうして朝早く起きて待ち伏せしてたんだけど。


(間違ってたのかな。俺の行動……)


あんま嬉しそうにしてなかった菅野の顔を思い出した。
今更逃げるワケにもいないけど、なんか辛ぇなぁ……。