放課後、
私は1人で帰る。

いざ1人になると寂しいな…。

あれ、寂しい?昨日までは1人だったじゃないか。なんだ寂しいって…。

「ねぇ、そこの君」

いきなり背後から、話しかけられた。

「君が、浅野沙耶華?」

そこにいたのは、チャラそうな茶髪の男。なぜ私の名前を…。
「誰だ、アンタ。」

キッ、と睨む。

「さぁ、誰でしょう。それよりさ、君、ここらで有名な不良って聞いてたのに意外と可愛いじゃん」

腕を掴まれる。
「は、離せ!」

私はすぐさま振り払う。
振り払いたかったのだが……そうとう力が強く、振りほどけない。

「ほら、暴れないで」
「やっ…やだ、離して…!!」
「いいから来い!」
「いやっ…__!」

助けて…!!

そう思った瞬間…

バッ…


誰かが、一瞬で男の手を振り払い、私の前に立った。