学校中がザワザワしている。

そりゃあそうだろう。私と上杉が一緒にいるんだから。

「なんであの不良と上杉くんが一緒なわけ?」
「脅されたんじゃない?上杉くん、可哀想…」

ヒソヒソと女子たちの声が聞こえてくる。これだから女子は嫌だ。

私は、ギリ…と歯を噛み締めた。

「お前、いつもあんな言われてんの?」
やっぱり
そこに突っ込んできた。

そうだよ。ほら、軽蔑しなよ。私、悪い奴なんだよ?

「気にしなくていい。」
平然を装い、言葉を返す。

「でもお前…」

もうこれ以上突っ込んでこないでほしい。そういう気持ちで大声をあげた。

「いいから!!」

上杉の肩がビクッと上がる。

「いい…から…」
思わず、弱々しく発した2度目の言葉は、涙声だった。

何か言いたげだった上杉も、口をつぐんだ。