青葉が茂り、生徒達の笑い声が響き合う…
ここは、どこにでもあるような公立高校、三田第一高等学校。
私、山田十和は三ヵ月前入学したばかりの一年生。
そんな私が毎朝追いかけているその人物は…
「せんぱぁぁぁぁいっ
……って、なんで逃げるですかぁぁ!」
「うるせぇ、叫ぶなこっちくんな!」
いま、全力で私から離れた方へとダッシュしている、東條先輩。
東條先輩は一つ上の二年生で、とにかくイケメンでモテる。
そんな彼を平凡な私が追いかけ回しているのが、この学校での毎朝恒例の名物(?)になりつつあるらしい。
私は今日も元気に先輩を追いかけています。