NET ー WORLD




「んなわけねぇだろ。」って突っ込んだが浮気と連打するやつがいた。
顔も見えねぇからってなんでもかんでも言いやがって。と俺は怒りを通り越して呆れた。


「そうだよ、翔那は浮気しない!」


と、一生懸命に言う彩乃が可愛くてドキドキした。




「あ、やっべ。可愛すぎだろ。」



ついに声に漏れると、たちまち照れた彩乃。



しばらくデレデレして2人会話を話すと、
リスナーから


“会話みてて飽きる。”

“今日はデレデレ会話か。”


と、少し批判ぽい書き込みが増えた。


「あっごめんね、みんな!なに話そっか?」


リスナーを大切にしているんだな、と思いつつ俺も何かを考えた。



「はいっじゃあ、彩乃のリスナーさん!
話題をふってきましょう。」



俺はそう問うと、凄まじい速さでばんばんとコメントが流れた。


“下ねた”

“出会いのきっかけ”

“好きな芸能人は?”

“彩乃ちゃんのどこが好き?”



そして、

“彩乃ちゃん、いつものやって!”


これに、疑問をもち


「いつものってなに?彩乃。」


と、聞くと


「あ、えー…と…」


…無駄にテンパってるな。



チラ、とコメントをみると


“歌だよ!弾き語りwww”


「えっ!?弾き語りできんの?マジ!?」


彼氏のくせに、知らなかった。という悲しさよりも弾き語りができることに驚いた。
そういえば、カラオケに行ったとき妙に上手くて、でも癖があった。


なるほど、と納得した。



「…う、うん。恥ずかしくて言えなかった。」


「ほーぉ?隠し事は無しだぞー。」


「ごめん…っ」


「罰として弾き語りしてくれね?」


「えっ、恥ずかしいよ…」


「…………。」



「わ、わ、わかったよー。」



クローゼットから、フォークギターを取り出しチューニングをする彩乃。
しばらくしてから、「おけ…」とイスに座りカメラ内に入る。


「なに、歌おっ?」

「んじゃあ、オリジナル。」

「えぇ!?それはっえー」



またまた、コメントには


“桜庭威歌ってー!”

“桜庭威ーっ!”

“オリジナル、桜庭威。”

“サクラバタケwww”



「桜庭威。」


呟くと、彩乃は「リスナーさんからなんでもわかっちゃうね。」と笑い恥ずかしながらもGコードをジャーンと一回響かした。




「 Ah~♪


君に恋した時にはもう遅くて、
あの日みた桜を思い出す

桜庭威


ひらり舞う花びらに

見とれてあなたを思う



入学式、そう新しい日
貴方を見つけた

桜とあなたはお似合いで
一目惚れしました


Ah~♪

君に恋した時にはもう遅くて、
あの日みた桜を思い出す


桜庭威 」





まるで、もう秋なのに春のような情景が浮かぶ。
彩乃の高く綺麗な声に、可愛い桜の歌詞。


それに…歌詞に出てる「あなた」は誰なんだろう。
俺、という線は違ってるとしたら聴けるに聞けない。

だが、彩乃は「…翔那くんのこと…かいたのっ。」と。

「えっほんまにか!やっべまじやべぇ、彩乃が好きすぎて死にそう。」

ぎゅーと抱きしめた。








…あの時はあんなに幸せだって、あんなに彩乃が好きだった。
だけど、