「チリじゃん。

あんたこそ、なんでココにいんの?」


うわー、マジいやだわ。

チリとか、ないわー。


「いや、俺、拓巳と遊んでたんですけど?」


『拓巳』

ドクンッ

心臓の音がすごく聞こえる。

どうしよ、私ドキドキしすぎで死んじゃうよ。

好きな人の名前を聞いただけなのに!


「つーか、サクこそどうしたんだよ。」


「あ、い、う、えっ、な。」


チリとドキドキの差が激しすぎて、言葉が出ない。

ある意味すごいと思う。


「『あいうえ』の次って『お』じゃなかったっけ?

なんで『な』なんだよ。

相変わらず変だな。

とりあえず、上がれよ。」


あ、うわぁ!!

喋った!

あの人が喋った!

当たり前だけど!


お言葉に甘えてお邪魔させてもらう。