「いーやーぁー!」


私は思わず叫んだ。

捨て犬が、ビクリと驚く。


「手伝わなくていいからぁ!」


「なんで?

透華、今、小野寺の隣の席だし。」


「とにかくっ、私、あの人のこと、忘れるの!!!」


そう叫んだら、ダダダダっと走って逃げてしまった。

捨て犬が私を不思議そうに見つめていた。