バチンッ

いったぁー

ガチで叩きやがった、こいつ。


ゆっくり目を開けると

ユキも槙部抹里も、土屋大希を止めようと伸ばした手を止めて

唖然と目を見開いていた。


あ、また、青鳥。

きっとキミも驚いてんだろう?


先に我に帰ったのは、槙部抹里だった。


「大希、やり過ぎだろっ、オイ!

サクに事情聞いてないのに、それはダメでしょ!

少女マンガではココって俺らが止めるとこでしょ?!

何殴ってんだよっ、ありえねぇー!

つーか、女子に手を上げる時点でアウトぉー」


ユキもその言葉に、大きくコクコクと頷いて言った。


「サクはなにもしてないよ?!

私を落ち着かせてくれただけだもん!

こんどサクに手を出したら、あたしが怒鳴るよ?!

てか、大希、あたし泣いてないよっ」


「っ……

そーだったんだな、わりぃ、サク。」


「いーえー

あ、じゃあアイス奢ってよ♪」


「は?」


何言ってんのって顔止めてもらえません?


「31〈サーティーワン〉の、スモールトリプルが欲しい!」


「アイスなんかでいいの?

大希が、奢るから何でも高いものでいんだよ?」


「それもどうかと思うぞ、琴浦。」


「サク、顔、大丈夫か?

俺らが、止める前にぶったから。

どーせなら、大希に土下座させるしっ」


「俺の扱いっ!」


「いや、だいじょーぶだから、顔も物も。

ただ、アイスが欲しい……かな?」


「よしっ、みんなで31いくぞっ!」


土屋大希が張り切って言ってる。

が、ココも私の作戦で……