「ユキ」

何を言えばいいだろう。

どんな言葉をかけても、ユキの顔が崩れていきそうで恐い。


だから

私は

一番酷い言葉を選んだ。


「別れて良かったの……❓」


「……あ

だ、だって、あたし、大希がっ

幸せが、いいからっ

それに、あ、あたし、別れたのに涙がでないのっ

それだけっ、それだけ、大したことなかったのよっっ!」


ユキは顔を歪めた。

なのに、滴は流れない。

まるで、蝶々が泣いているようだ。


「っよかったよっ!!

だって、大希はそれがいいってっっ」


「ヨシヨシ」


私はユキの頭を撫でる。

背伸びしなきゃいけないのが悔しい。


「ユキ、家に一旦帰ってゆっくり考える?」


「家はいやぁ

お姉ちゃんがいる。」


「そう?

公園でも行く?」


「うん……

MI公園行きたい……」


「うん。

わかった。」


きっと土屋大希との思い出の場所なんだろうな……