ここから一番近い市立病院に行こう。
タクシーをつかまえた。
「〇〇病院まで」
「はい。〇〇病院ですね。」
ガチャッ
タクシーから降りて病院に入った。
「美弥じゃなくって…中山美弥さん、こちらの病院におりますか?」
言いながらも、変な日本語だと思う。焦ってるんだな俺。
一瞬、受付の人に怪訝そうな顔をされたのが見えた。
「▲▲号室ですよ」
「ありがとうござます!」
急いで▲▲号室に向かった。暇潰しのガールフレンズとはいえ一応、身近な人間だ。
ガラガラ
病室のドアを開けるとそこには顔中、包帯でぐるぐるまきにされた美弥がいた。
「やだっ!!しょう見ないで!」
ウッウッと泣き出す美弥。俺は何と声をかけたら良いのかわからなくなってしまった。
「大丈夫か?」
恐る恐る聞いてみるが何も返事がなくかわりに嗚咽と鼻水をすする音がする。
ここにいても、しばらくはこの状態だろうと思い病室を出ることにした。


