幸せは、きっとすぐ傍





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思ったよりも賑わっていた航空祭は、思ったよりも楽しかった。


大地の方も初めての経験で楽しかったらしい。そもそも航空祭に来ているのはほぼ全員が自衛隊に好意を持っている人ばかりだった為過ごしやすかったようだ。


弟は人より優しくて繊細だから、きっと周りからの否定の言葉に傷付いていたのだと思う。さゆりも今は一人暮らし、大地は孤立してしまうのだ。


そろそろ、ブルーインパルスの展示飛行の時間だった。


人々もわいわいと騒ぎながらちらちらと上空を気にしている。さゆりも大地と話しながらブルーを待っていると────放送が入るとともに激しい音がして、さゆりは視線を空へと投げた。


わあ、とどこからか歓声が聞こえてくる。ブルーインパルス、だ。遥か上空を駆け抜けるブルーインパルスはその名の通り青く、青い空と一体化しているような感覚に陥る。


一瞬にしてブルーインパルスに引き込まれたさゆりはぽかんと口を開き、────全身に鳥肌が立つのを感じた。




────凄い。




大地が興奮して語っていて理由が分かった、と思った。


六機のブルーインパルスの動きはアクロバティックでいてとてもデリケートで――凄いとしか言えなくなるくらいに、語彙能力が奪われていく。