那勇と俺はチャイムと同時に教室に戻った

(今日も苺花と話せなかったな。って俺なに考えてるんだよ。これじゃ苺花のこと好きみたいじゃん。)

それでも苺花のことが気になって
授業なんかほとんど聞いてなかった

「なぁ那勇、さっきの授業のノート写させて」

「惇ノート書いてなかったのかよ」

「ちょっと考え事してボーッとしてた」

「ふーん」

「なに?」

「いつになったら教えてくれるのかなーって思って」

「なにをだよ」

「苺花ちゃんのこと」

「だからなんもないって」

「さっきの授業中だって苺花ちゃんのこと考えてたんじゃねーの?」

(那勇にはなんでもおみとおしか。)

「だったらなに」

「惇、おまえほんとに苺花ちゃんのこと好きじゃねぇの?」

「は、好きじゃねぇよ」

「あーもっ次の授業さぼろーぜ」

「やだよ」

「いーから行くぞ」

(めんどくさ、単位とれなかったらどうすんだよ。)