那勇は惇の手をつかんで屋上に上がっていった。
「離せよ」
「なぁほんとのこと話さね?」
「なにをだよ」
「苺花ちゃんのこと」
「好きじゃねぇよ、たぶん」
「たぶん。ね。それ、好きってことじゃん?」
「意味わかんね」
「おまえ嫌いって言わないよな、それって好きだから言わないんじゃなくて言えないんじゃん?」
「いやそれはない」
「じゃあなんで授業中に苺花ちゃんのこと考えてんだよ」
「俺にもわかんねぇ」
「惇おまえ、苺花ちゃんのとこ行かなくなってからずっとボーッとしてるしなんか寂しそうな顔してる。」
「気のせいだろ」
「そうだとしても俺にはそう見える」
「那勇、俺苺花のこと考えると胸が痛い」
「それ恋だろ」