「華湖、好きだよ」



唇が完全に離れ、ふわりと笑って真琴くんはそう言うと、さっきの出来事が嘘のように、

突然私の肩にポスリと顔を埋め、スーッと寝息をたて眠ってしまった。








真琴くんが起きたとき、「なにか覚えてる?」と聞くと、

「なにかってなに?」と、純粋に覚えていない様子だったので、

「内緒、」とだけ言っておいた。



このことは当分、私だけの秘密だ。




Fin.