「華湖、好きだよ」 唇が完全に離れ、ふわりと笑って真琴くんはそう言うと、さっきの出来事が嘘のように、 突然私の肩にポスリと顔を埋め、スーッと寝息をたて眠ってしまった。 * 真琴くんが起きたとき、「なにか覚えてる?」と聞くと、 「なにかってなに?」と、純粋に覚えていない様子だったので、 「内緒、」とだけ言っておいた。 このことは当分、私だけの秘密だ。 Fin.