15mのところで、立ってしまった。

「ん?星野、泳ぐの苦手なのか?」

「………はい」

あー……最悪。

男子も女子も、私を見てバカにしたように笑ってるよ。

……だから、プールなんて嫌い。

「まみこ、大丈夫か?」

「……ハル」

プールから上がってプールサイドを歩いていると、ハルが話しかけてきた。

……大丈夫って、何がだろ。

「クラスのヤツらに何言われたって気にすんなよ。笑われてもだ。オレは何も言わねーし、絶対笑わねーから」

ハルは、真剣な表情でそう言った。

めったに見せない真剣な顔。

……私を心配してくれてるんだ。