Pacifism Spy

「その通りだ。」

霜降はそういうと先制攻撃に出た。

霜降のポケットから煙が出てきた。
それはあっという間にあたり一面を
覆ってしまった。

レイは、はっとし、すぐに息を殺し、
少しも動かなかった。

これは、霜降の十八番、

「サイレント・キル」だ。

濃い煙で辺りを視界ゼロにする。
そして、霜降本人は息遣いや服の擦れる音
など、微かな物音で相手の場所を把握し、
攻撃する。

煙といっても咳き込むのは相手だけだ。
霜降は、長年煙に慣れる訓練をしたから
咳き込むことはない。

霜降はレイが動くか、咳き込む
その時を待った。