Pacifism Spy

霜降りは微かに笑うと、眼帯を外した。

そして再びレイを見たとき、
残った赤い目は、ギラギラと
怒りと憎しみに満ちていた。

「目のことなど、いまはどうでもいい。
 お前たち平和主義などというくだらない
 目的のせいで我等はこの五年間、
 苦しみと屈辱を味わい、耐えてきた。
 我等はお前を許さない。一人残らず殺す。」

「貴様が殺人を実行するのは勝手だ。
 私が止める。しかし貴様の仲間は何だ?
 ほとんどが十代の子どもではないか!」

「お前こそ。三百人中半分はまだ若いだろう。
 それを地下の世界に閉じ込めて。
 それなら我等のように外で好き勝手
 やるほうがいいというものだ。」

「もはや私たちと貴様たちは
 根本的に違うな。問答は無用か。」