Pacifism Spy

秋雨は階段へ通じる扉を閉め、
二、三度蹴った。

ドアはひしゃげ、開かなくなってしまった。
秋雨は、勝ち目はないと分かっていた。
この狭い通路ではナナの炎を避けることは
不可能だ。

それでも、霙のために、少しでも
時間を稼ぐことにしたのだ。

 ナナたちが秋雨を取り囲んだ。
秋雨は空手のような構えをした。

「来いよ。」

戦って死ねるなら本望だ。

「・・・・・・。」

ナナはスッと目を細め、
動きを見極めようとした。

そのとき、