Pacifism Spy

とたんにナナと他の生き残った
平和主義スパイが追いかける。

「離して!秋雨!」

「うっせえ!いったん退くぞ。」

「いやよ!霜降はどうするの?」

霙はそう言いもがいたが、秋雨は離さない。
そして、エレベーターの前まで来た。

「霜降は死なねえよ。行け!」

秋雨はそう言うと霙を
エレベーターの中に押し込み、
「開」のボタンを壊し、「閉」のボタンを
閉じ、自分だけ外へ出た。

「秋雨!」

霙は慌てて「開」のボタンを押したが
案の定壊れて言うことをきかない。

秋雨は霙に背を向け言った。

「霙。逃げろよ。生き延びろ。
 俺は春雨がいなきゃ絶対
 逃げないからな!」

その直後、扉が閉まった。