Pacifism Spy

ナナははっとして小雨に注意を向けた。
小雨とナナは互いに身構える。

(もう、こうなったら平和主義だなんて
 言ってられない・・・!
 ソッコーで片付けるか。)

サンゴは、ナナと並んだ。
豪雨は、それを見て小雨と並んだ。

「ケッ!向こうが二人なら小雨だけに
 任せられねえな。」

そのままの沈黙が続く。

小雨はサンゴに狙いをつけたらしい。
兄の豪雨を傷付けたからか、もしくは、
傷を負っているからか、
ナナは素早く当たりを見回し、足元にあった
木の棒を拾った。

そして、サンゴを庇うように移動した。
そのとき、

「サンゴっ!」

もう一人の人物が乱入してきた。

茶髪にグリーンの目、イチゴだ。

廊下に転がっているドアを見て、
びっくりしたようだ。

「イチゴ・・・さん?」

ナナは一応目上のイチゴに呼びかけた。
しかしイチゴは腕を失い、異常なほどの
血を流しているサンゴを凝視していた。

信じられないという目が、だんだんと怒りの目に変わっていく。

それを確認した小雨と豪雨は、
イチゴにも注意を向けた。

と、サンゴの身体がふらつき、
ドサッと倒れた。

「「サンゴ(さん)っ!」」

血の流しすぎだ。立つことも
ままならなくなってきたのだ。
イチゴが駆け寄る。

「サンゴ!大丈夫か?」

サンゴは黙って目をそらした。

ナナはしばらく二人を見ていたが、
やがて、小雨と豪雨に注意を向けようと
振り返った。が、

「あれ?」

小雨と豪雨はいなくなっていた。

ナナは仕方なくサンゴとイチゴのところへ行った。