Pacifism Spy

「・・・っ!」

豪雨は、今度は自分の突進が災いし、
一回目よりも酷いことになった。

あまりの痛さに声も出せないほど
痛かったらしい。


「・・・・・・。」

サンゴは、

(普通引っかかるか?)

と思ったが、無関心を装った。

そのとき、


ーコロコロー


「・・・!」

サンゴは咄嗟に
部屋に転がり込んだ。

その直後、爆発音が轟いた。

さすがは戦闘主義、
ドアにぶつかるのと同時に、
爆弾を転がしたようだ。

豪雨はニヤニヤしながら
入ってきたが、

ーバリッー

「・・・あ?」


豪雨は落ちていた手鏡を
踏みつけて壊してしまった。

「手鏡か?
 小雨に持っていって
 やればよかったな。」

豪雨はここでも
シスコンぶりを発揮した。



しゃがみ込み、
手鏡のデザインを見ていた豪雨は、
ひびの入った鏡の部分に
サンゴが映っているのに気づき、
振り返った。


「・・・!」

豪雨はびっくりして絶句した。

サンゴの目は、
完全とまではいかないものの、
殺気が出ている。

こぶしを強く握り、
怒りのあまりわなわなと震えている。


「私の・・・鏡・・・。」