サンゴはスパイモードは
オンのままだった。

イチゴがいなくなってから
(正確にはサンゴが締め出してから)
ずっとだ。

しばらくして爆発音がした。

サンゴはぴくっとしたが、
部屋からは出なかった。
ずっとベッドに座っていた。



そのうち、複数の足音が聞こえた時、
ようやくサンゴは立ち上がり、
ドアの前に立った。

そして、足音から人数を予想し、
最後の一人がドアの前を通る瞬間に
思い切りドアを蹴り破った。

「ぐはっ!」

ドアが当たった人物はそんな声を上げ、
ドアが当たったからだの右側を
しきりにさすった。

ちなみにドアノブの部分が
当たったらしく、頬には赤いあとが
残っている。

サンゴは、仲間だったら謝ろうとして
部屋から出た。

しかし、そこにいたのは
予想だにしない人物だった。


「あんたは・・・。」

「「豪雨!」」

サンゴが目をやると
これまた予想外の奴らがいた。

叫んだのは十代前半の
男の子と女の子。

他に、十代の子が二人と、
レイと同じくらいの男が一人いた。


「この女は俺がやる。
 先に行け。」

「ああ。行くぞ。」


レイと同じくらいの男がそう言い、
豪雨を残し、走り去った。