「・・・あなたたちは
何人居るの?」
「十人よ。」
レイナはやったと思った。
春雨は見かけによらず
おしゃべりで口も軽いようだ。
「どうして・・・私たちを?」
「それはこっちの台詞よ。
五年前のあの日、
どうして邪魔をしたの?
あの任務が上手くいけば私たちは
大金が手に入ったのに。
二つの国の争いがなくなって
どちらかが世界を支配したのに。」
「あなたたちを止めなければ
大戦争になっていたのよ?
たくさんの人々だって
死んでいったのよ?
そこまでして大金がほしいの?
それに、悲しいけど国同士の争いが
消えることはないの。
一つの国が世界を支配する権利だって
ないわよ。」
「そんなことない。強さが全てよ。
弱肉強食、世界の決まりよ。」
レイナは悲しく思った。
自分よりも七つも年下の子が
こんなことを思っているなんて。
レイナは先ほどの会話を思い出した。
平和主義スパイの大人は、
八割がカウンセリングの
資格を持っている。
ー春雨は、霜降に目的がある
と言っていた。
・・・でも、その前に春雨自身の目的が
あるからそれを果たすと言っていた
・・・あいつとの勝負がある
とも言っていた
・・・あいつ・・・?勝負・・・?-
「春雨・・・あいつって誰?」
「秋雨よ。」
「勝負っていうのは?」
「あんたたちは私たちを
生け捕りにしようとするでしょう?」
「確かに、殺したくはないし。」
「私と秋雨、どっちかが捕まったら
捕まった方が負け。
勝ったほうは負けたほうを助けて、
一つだけ命令できるのよ。」
春雨は少しだけ、息が弾んでいる。
しかし、それはすぐに消え、
もとの顔に戻った。
「でも、あなたには関係ないわ。
そろそろ死んでもらおうかしら。」
糸を持ち直し、小さく呟くように告げた。
「戦闘主義スパイ、春雨よ。よろしく。」
春雨は指をくいっと動かした。
糸が迫ってくる。
そのときレイナは唯一糸のかかっていない
壁に体当たりした。
壁はなんと一回転し、
レイナは壁をはさんだ向こう側に
逃げてしまった。
「私からは逃げられないわ。」
春雨は慌てずに歩き出した。
何人居るの?」
「十人よ。」
レイナはやったと思った。
春雨は見かけによらず
おしゃべりで口も軽いようだ。
「どうして・・・私たちを?」
「それはこっちの台詞よ。
五年前のあの日、
どうして邪魔をしたの?
あの任務が上手くいけば私たちは
大金が手に入ったのに。
二つの国の争いがなくなって
どちらかが世界を支配したのに。」
「あなたたちを止めなければ
大戦争になっていたのよ?
たくさんの人々だって
死んでいったのよ?
そこまでして大金がほしいの?
それに、悲しいけど国同士の争いが
消えることはないの。
一つの国が世界を支配する権利だって
ないわよ。」
「そんなことない。強さが全てよ。
弱肉強食、世界の決まりよ。」
レイナは悲しく思った。
自分よりも七つも年下の子が
こんなことを思っているなんて。
レイナは先ほどの会話を思い出した。
平和主義スパイの大人は、
八割がカウンセリングの
資格を持っている。
ー春雨は、霜降に目的がある
と言っていた。
・・・でも、その前に春雨自身の目的が
あるからそれを果たすと言っていた
・・・あいつとの勝負がある
とも言っていた
・・・あいつ・・・?勝負・・・?-
「春雨・・・あいつって誰?」
「秋雨よ。」
「勝負っていうのは?」
「あんたたちは私たちを
生け捕りにしようとするでしょう?」
「確かに、殺したくはないし。」
「私と秋雨、どっちかが捕まったら
捕まった方が負け。
勝ったほうは負けたほうを助けて、
一つだけ命令できるのよ。」
春雨は少しだけ、息が弾んでいる。
しかし、それはすぐに消え、
もとの顔に戻った。
「でも、あなたには関係ないわ。
そろそろ死んでもらおうかしら。」
糸を持ち直し、小さく呟くように告げた。
「戦闘主義スパイ、春雨よ。よろしく。」
春雨は指をくいっと動かした。
糸が迫ってくる。
そのときレイナは唯一糸のかかっていない
壁に体当たりした。
壁はなんと一回転し、
レイナは壁をはさんだ向こう側に
逃げてしまった。
「私からは逃げられないわ。」
春雨は慌てずに歩き出した。
