「一体・・・」

イチゴがそう言うと
ほぼ同時に、爆発音がした。

三人は反射的に身を伏せた。
爆発音は三人の真上に
位置する換気扇からだ。

土煙から人影が飛び降りてきた。
九人だ。
その中の一人はリーダーシップを
とるように手振りで何か示している。
煙が晴れてきた。


「テメェらは・・・!」

イチゴが信じられないように
目を見開いた。



一人は釘バットを持ち、
一人はピアノ線を束ねている。


一人は片手にナイフを持ち、
一人は手ぶらだが、ベルトに
手榴弾のようなものを
たくさんつけている。


次の二人は双子のようだ。
男の子と女の子で、
男の子が刀を持っている。
身の丈ほどもある。


女の子を含めたあとの三人は
何の武器も持ってるようには
見えないが、一番厄介そうだ。



「ここまでは成功だな。」

「ええ。」

九人はイチゴたち三人と
向かい合った。


(くそっ!三対九じゃ勝ち目はねぇ!)


イチゴはそう思うと一歩前に出た。
そして、ニーナとサンナに言った。


「行け!リーダーのところだ!
 ここは俺が何とかする!」

「でもっ!イチゴさ・・・!」

「サンナ。」

珍しくニーナが口をきいた。
サンナは仕方なく頷き、
ニーナと共に走り出した。

すると、釘バットを持った
十三歳くらいの男の子が前へ出た。