しばらくして、
電話のところに来た。

倒れているナナを見つけ、
びっくりした。


「「ナナ!」」

ニーナとサンナは同時に叫び
駆け寄った。

ナナの頭を動かすと、
後頭部から少し
出血しているようだった。


「ひでぇな。何があったんだ?」

イチゴはそういいながら
辺りを見回し、あることに気が付いた。

「音が・・・しねぇ。」

「「音?」」

ニーナもサンナも訝しげに
首をかしげたが、次の瞬間には
気づいた。

「「換気扇!」」


そう、ここは地下。
衛生的ではあまりないので、
新鮮な空気を取り入れるのには
巨大換気扇に頼っている。

したがって、この地下にいるときは、
微かなゴウン、ゴウンという音が
聞こえるはずなのだ。

しかし、今はまったくしない。
つまり、止まっている
ということだ。

換気扇が故障で止まることは
あまりない。
リーダーは止めるときは
全員にあらかじめ連絡してから止める。

ということは・・・・



「来やがった!」


イチゴはスパイモードをオンにした。

イチゴの場合、外見も内面も
あまり変わらないが、
スパイとして必要は能力が上がり、
オーラがきつくなる。

イチゴに習い、
ニーナ、サンナもスパイモードを
オンにした。

「来い。」

「はい。」

「・・・・・・。」


イチゴ、サンナ、ニーナの順で、
換気扇の所へと進んだ。

ナナは、壁にもたれかかるように
座らせてきた。
ナナには悪いが、目立った外傷は
頭の傷だけで、死んではいない。

何の理由があってか
生かしてあるのだろう。
それなら、一人で座らせておいても
大丈夫だろう。


換気扇のところまで来た。

「やっぱり、止まってる。」

イチゴはそう言いながら注意深く
辺りを見回した。
すると、隅の方に交代するはずだった
四人の仲間を見つけた。
意識はないが、やはり死んではいない。