Pacifism Spy

「十五夜にぴったりだな。」

秋冬は冬の満月を見上げ、
ポツリと呟いた。

これから先、
この季節やこの月を生きて
目にすることができるだろうか。

あのとき、
サンナもニーナも
今より弱かったはずだ。

今ではもっと強くなって
いるだろうし、頭脳だって
発達してるはずだ。

「やっぱり、
 あの時殺しとくんだった。」

あのまま戦っていれば
両方大怪我を負ったかもしれない。

霜降は春夏と秋冬の怪我を
防ぎたくてそうしたのだろう。

でも、それでも
サンナとニーナは殺せたはずだ。

「過保護だなあ、全く。」


「んー。」

春夏が頷くような仕草とともに
呟いた。
寝言だろう。


「ふー、僕も寝よう。」

秋冬は再び
ベッドに潜り込んだ。