Pacifism Spy

そこから二人は準備を始めた。

近くの図書館へ行き、
開館から閉館まで
ずっとある本を読みあさった。

小雨は人体に関する本。
豪雨は爆弾に関しての本。

半年間ずっと勉強して、
やっと準備は整った。

激しい雨と小降りの雨が
交互に降っていた晩だった。

二人はかつて住んでいた
家の前にいた。
家の場所は豪雨が調べた。

インターホンを押し、
二人は物陰に身を潜める。
ドアが開き、母が顔を覗かせる。

その瞬間、豪雨が飛び出し、
母に飛びついた。

突然のことに、
母は声も出せずに倒れた。

続いて小雨が飛びかかり、
母の喉を掻っ切った。

そして母を家の玄関に運び、
そのまま父の帰りを待った。

三十分後、
父は玄関で死んでいる母を見て
絶句した。
母の名を呼び、膝をつく。

絶妙のタイミングで、
父の目の前の大きな靴箱から
小雨が出てきた。

父は小雨の幽霊だと思ったのか、
サッと青ざめた。
小雨は父の逃げ道を塞ぐように
玄関のドアの前に立った。

父はガタガタ震えながら
キッチンの裏口へ向かった。
しかし、裏口には豪雨が立っていた。

父は今度こそ
失神しそうになりながら、後退した。
しかし、すぐ後ろには
小雨が迫っていた。

父は必死で許しを乞う。
しかし、二人にはもはや
父に情けをかける気はなかった。
二人して父を滅多切りにした。

そのあと、金銭や食料を運び出し、
火を放ち姿をくらました。

それからというもの、二人は
様々な方法で殺人と放火を繰り返した。

そして、二人は、霜降に
仲間として迎えてもらった。

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「お兄ちゃん・・・。」

「どうした?」

「ううん。やっぱなんでもない。」

「そうか。」

二人はそれだけ言葉を交わすと
眠りに付いた。