この広い屋敷には、
部屋が何十とある。
しかし、住んでいるのは
霜降を始めとする十人で、
二人一組で一つの部屋を使っている。
部屋にはバスルーム、トイレ、
バルコニー、そして
ベッドルームがある。
そんな中屋敷の隅から隅に響くほどの
すさまじい怒鳴り声があがった。
「てめぇ・・・殺す!」
ある一室で時雨がやみくもに
釘バットを振り回している。
第三者からみれば、何もないところで、
ただバットを振っているだけだ。
しかし、ちゃんと標的はいる。
見えないだけだ。
「全く、殺せるなら殺して欲しいぜ。
クククク。」
何もないところに突然霧雨が現れた。
時雨はそれを見計らい、
釘バットを振り下ろした。
しかし、
ーバシャン!-
という音とともに、
霧雨はまた霧になった。
この一時間、ずっとこの調子だ。
始まりは、一時間前にさかのぼる。
*******************************
「なぁ、時雨。」
「・・・んだよ?」
二人はバルコニーで話していた。
「平スパの中の獲物は?」
今の「平スパ」とは
「平和主義スパイ」を
短くしたものだ。
霧雨は正式名称が長いと、
何でも省略したがる。
しかし、なんともまあ、
何かのスパゲティみたいな名前だ。
しかし、時雨も慣れているのか
何も突っ込まずに答えた。
「決まってんだろ。イチゴだよ。」
そこで一息つき、
イチゴのグリーンの目を
思い出した。
「あいつをこれで
ぐちゃぐちゃにしてやるぜ。」
そして、バットから飛び出ている
釘を磨き始めた。
部屋が何十とある。
しかし、住んでいるのは
霜降を始めとする十人で、
二人一組で一つの部屋を使っている。
部屋にはバスルーム、トイレ、
バルコニー、そして
ベッドルームがある。
そんな中屋敷の隅から隅に響くほどの
すさまじい怒鳴り声があがった。
「てめぇ・・・殺す!」
ある一室で時雨がやみくもに
釘バットを振り回している。
第三者からみれば、何もないところで、
ただバットを振っているだけだ。
しかし、ちゃんと標的はいる。
見えないだけだ。
「全く、殺せるなら殺して欲しいぜ。
クククク。」
何もないところに突然霧雨が現れた。
時雨はそれを見計らい、
釘バットを振り下ろした。
しかし、
ーバシャン!-
という音とともに、
霧雨はまた霧になった。
この一時間、ずっとこの調子だ。
始まりは、一時間前にさかのぼる。
*******************************
「なぁ、時雨。」
「・・・んだよ?」
二人はバルコニーで話していた。
「平スパの中の獲物は?」
今の「平スパ」とは
「平和主義スパイ」を
短くしたものだ。
霧雨は正式名称が長いと、
何でも省略したがる。
しかし、なんともまあ、
何かのスパゲティみたいな名前だ。
しかし、時雨も慣れているのか
何も突っ込まずに答えた。
「決まってんだろ。イチゴだよ。」
そこで一息つき、
イチゴのグリーンの目を
思い出した。
「あいつをこれで
ぐちゃぐちゃにしてやるぜ。」
そして、バットから飛び出ている
釘を磨き始めた。