Pacifism Spy

乗り込んできたのは
レイナ、ナナ、サンゴ、イチゴの
四人だ。

そのとき、
霜降、豪雨、霙、秋雨、春夏、秋冬は、
霜降の家でもある本部の屋敷にいた。

いくら戦闘主義で三百人相手にできると
いっても、一般的な戦いの技術を学んだ
スパイが相手では、
すんなりとは勝てない。

戦闘主義スパイと平和主義スパイは、
それぞれ一対一で戦うことになった。
そして、ついに勝負はつかなかった。


というのも、
イチゴが時雨の釘バットを避け、
飛び退いたその着地地点に、従来の
原爆の起爆スイッチがあったのだ。
そのスイッチがオンになると、
一分後に爆発する仕組みになっている。

豪雨は万が一何かの間違いで
爆発してもいいように、
各シェルターの中で作業をしていた。

そこで戦っていたのだ。

イチゴは、思い切りスイッチを
踏んでしまった。

その瞬間、戦闘主義スパイは
全員硬直した。


ーカチッー

「・・・あ。」


小雨はナナと戦っていて、
やっと壁に追い詰めたところだった。
しかし、ナナは一瞬の隙を見て、
小雨からナイフを奪い取り、
一言

『ごめん』

と言って左肩を切った。

レイナは春雨のワイヤーに
囲まれていたが、そのワイヤーは
はらりと地に落ちた。
レイナはすぐにワイヤーから離れた。


サンゴは豪雨が固まったと知った途端
強烈な裏拳を喰らわせ、
ニ、三歩の距離をとった。

その直後、

「逃げろー!」

時雨の声で
小雨、春雨、時雨、そして最後に
豪雨(は鼻を押さえ)が
出口に向かって走り去った。