Pacifism Spy

ナナは早速電話した。

「三-Bの柊奈々です。
 急に海外に行くことになりました。
 今日をもって学校には行けません。
 お世話になりました。」

ナナはそれだけ言うと
さっさと電話を切った。
嘘がばれるのは明日だろう。
しかし、学校はナナとの
連絡は取れない。

ナナはすぐそばにいた
ニーナとサンナと一緒に部屋へ戻った。
この三人は一緒の部屋だ。



イチゴも学校に連絡した。

「どーも。あの、俺、今・・・・
 うわあぁぁぁ!」

イチゴは見事に演技をした。
何の演技かというと、

『誘拐され学校に助けを求めたが、
 見つかってしまった』

演技だ。
そして電話を切った。

(結構たのしかったのに。
 ま、サンゴがいるからいいけど。)

ちなみに、このとき仲間の人たちは、
いきなり叫んだイチゴに
びっくりしていた。



サンゴも学校に電話した。

「あの、両親が他界しました。
 学費も払えません。退学します。」

学校はサンゴの落ち込んだ声に
すっかり騙された。

隣にいたイチゴが
受話器を置くのを待って、
一緒に歩き始めた。