Pacifism Spy

―コンコン―

ニーナは、はっと我に返った。

「・・・誰?」


「僕だよ。サンナ。」

ニーナはすぐにドアを開けた。
サンナは中に入り
ニーナがドアを閉めたとたん
ふらついた。

「サンナ!」

ニーナにかかえられ、
ソファに崩れるようにして座ったサンナは、
ニーナに自分の悩みを
洗いざらいぶちまけた。

ニーナは一言も口を挟まず、
聞いていた。

そして、サンナが話し終えると
自分のこともすべて話した。

そして、

「私、サンナのパパとママのこと、
少ししか覚えてないけど、
いい人だったよね?」

「うん。」

「なら、大丈夫だよ!
 サンナはいい人だもん。
 憎しみなんかに負けないよ。」

「ニーナ・・・。」

ニーナは純粋だ。
それ故に、
こうしていろろな人を励ますことが出来る。

「ね?」

「うん!」

ニーナに励まされたサンナは
にっこり笑った。

そして、リーダーであるレイの
命令をまっとうするために、
部屋を出た。