Pacifism Spy

長年たった一人で生きてきたであろう
霜降には分からないだろうが、豪雨には
ずっと守ってきた妹がいるのだ。

もちろん、今回も計画の段階で
妹を無事に逃がすことを前提に
リモコンの起爆スイッチにした。

「あと一分三十秒。」

二人は小走りに進んだ。
一歩進むたびに両手首に痛みが走る。

「あと一分。」

小雨はカウントダウンを始めた。
ギリギリ間に合いそうだ。

しかし、

「ぅあ!」

豪雨が足を滑らせた。
そのままニ、三階分の距離を滑り落ちる。