小雨はサンゴたちと対峙したとき、
分が悪いと思った。

兄の豪雨ははっきり言って足手まといだ。
両手が使えない上に爆弾以外の戦い方は
絶対にしないのだから。

それをいうなら出血多量のサンゴも
同じだったが、どっちにしろ二対一だ。

というわけで逃げ出したのだ。
エレベーターは追いかけられる恐れも
あるので使わなかった。

豪雨と小雨はならんで階段を昇っていった。

「あと三分か・・・。急ごう。」

「あぁ、上手くいけば脱出も出来るしな。」

霜降は何も失うものがないらしいが
豪雨は違った。