時を少し遡り、レイと霜降が対峙した頃、
イチゴは医務室にいた。

すぐにでもレイの所へ
駆けつけたかったのだが、
サンゴが心配で医務室に居ることにした。

そして、部屋の隅に目をやった。
そこには、ぐったりとしている少年、
時雨がいた。

腹と腕には治療が施されている。
しかし、かなりの出血のためか、
動くことはかなわないようだった。

「大丈夫か?」

「・・・うっせー。」

さっきから何を聞いてもまともな返事はない。
手と足は一応縄で縛ってある。

イチゴは、時雨が危ない状況に陥るまでは
輸血はしないと決めてあった。